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地域課題解決の
取組事例

就業体験を通じた人材確保事業
東出雲町商工会
支援分野
地域経済の状況と課題
 近年松江市は少子高齢化や若年層の都市部流出を背景に、地域産業における深刻な人手不足が続いています。
島根労働局が令和7年3月に発表した島根県全体の有効求人倍率は1.40倍と全国平均(1.26倍)を上回っており、中でも松江管内の倍率は1.44倍に達しています。
 東出雲町の基幹産業である金属加工や蒲鉾等を中心とした製造業においても、慢性的な人手不足が企業経営に影響を及ぼすとともに、地域経済の活力低下にもつながりかねない状況であるため、人材確保が喫緊の課題となっています。市内製造業としても半数以上が人材確保の状況において「不足している」と考えており、募集をかけても希望通りの人数を採用できていない企業が多い状況となっています。第5期松江市ものづくりアクションプランによると、アンケート調査の結果、「製造業に人材が入ってこない原因として、中高年といった若年層には製造業がどのようなことをしているのかよく分からないということが考えられる」とあります。こうしたことは、製造業のみならず全業種共通の課題であり、人材確保のためにはまず求職者に仕事内容を知ってもらい、企業の魅力を伝えるための施策が必要であると考えました。
事業の内容
 地域内企業が慢性的な人手不足に苦心している状況を受け、当会では就業体験を活用した行政課題の解決に取り組みました。この就業体験により、業務内容を理解し、職場の雰囲気を感じることで働くことへの不安を和らげ、地域での定着を促進することを目的に、本事業では地域企業と連携し、どんな職業が向いているのか分からない求職者などを対象に、実際の職場での業務を体験あるいは見学できる機会を提供いたしました。
 具体的には就業体験の募集チラシを作成し、東出雲町では各自治会による全戸配布及びポスティング、新聞折込、さらに近隣地域にもポスティング、新聞折込を行いました。また、求職者の雇用支援先にも趣旨を説明しチラシの設置を行いました。
地域・事業者にもたらした事業の成果・効果
就業体験受入企業数実績:21社
就業体験申込者:5名
実雇用につながった件数:1件

 就業体験受入企業については、当初の目標を上回る企業数が集まり、受入体制の構築は目標以上の成果が得られました。一方で、就業体験申込者数および実雇用につながった件数はいずれも十分な結果とはなりませんでした。ちなみに申込者は東出雲町内在住の方4名、町外在住の方1名であり、申込みのきっかけは、いずれも新聞折込として配布されていたことによるものでした。実雇用につながった件については、受入企業の社長と面識があった方がチラシをきっかけに就業体験を申込まれたもので、システムエンジニアとして雇用されることとなりました。また他の実雇用に至らなかった事例としては、勤務時間、雇用形態等が参加者の希望と一致しなかったことが要因でした。

 本事業の実施過程を通じて、受入企業との関係性の構築により、就業体験プログラム内容の整理や充実の必要性が理解できたことから、今後の事業展開に向けた体制づくりが可能となりました。
 また、周知方法に関し広報時期や情報発信手法の見直し、参加しやすい実施時期・内容への改善を行う必要性を感じました。これにより、就業体験を通じた職業理解の促進や、地元企業への関心喚起といった本事業の目的達成に向け、より実効性の高い取組につなげていきたいと思います。
 今後、本年度に得られた課題や関係者からの意見を踏まえ、事業内容の見直しを図ることで、参加者の増加とともに、将来的な人材育成および地域定着の促進に寄与していきたいと思います。

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